沐浴
2015.09.17
沐浴はパパの仕事?
赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、毎日身体を洗う必要があります。
新生児期の赤ちゃんをベビーバスに入れて、お湯で体をきれいにすることを「沐浴(もくよく)」といいます。
沐浴により、赤ちゃんの皮膚を清潔に保ち、湿疹などの皮膚トラブルを防ぐことができます。
昔も今もパパママ教室でのメインイベントは、沐浴の実習。慣れない手つきでおそるおそる人形の身体を洗ったという人も多いでしょう。
昭和の時代、「出産直後は水仕事を控えなければいけない」という言い伝えがあり、沐浴はママ以外の家族の仕事と考えられていました。
そのため、里帰り出産の後、沐浴はパパが行っていた家庭が多かったのです。
沐浴は、室内を温かくして、すぐ肌着を着せ替えられるように用意した上で、お湯が冷めないうちに手早く終わらせないといけません。慣れない間は大仕事となります。
だから、昔は暖房が整ったリビングのど真ん中で、ベビーバスにお湯を張って沐浴を行っていました。
今は特に寒くなければ、洗面所や浴室、台所で行っても大丈夫です。シャワー付き洗面台で沐浴を行うという方法も普及しています。
とはいっても、バイ菌が繁殖しやすいので、「沐浴用シート」を取り付け、台所や洗面台まわりもよく消毒する必要があるでしょう。
ベビーパウダーではなくベビーローション
沐浴の時期を終えて、大人と一緒にお風呂に入れるようになるのは、生後1ヶ月後が目安となります。ここからは「入浴」といいます。
それでも、乳幼児の皮膚は大人に比べて薄いので、長くお風呂につからせるのは厳禁です。40~41度の少しぬるめのお湯で、沐浴で5分程度、入浴も10分程度で切り上げます。
昔は沐浴や入浴の後に、赤ちゃんの全身に真っ白になるまでベビーパウダーをはたいていましたが、今はそういう光景はあまり見られなくなりました。
ベビーパウダーは文字通り「粉」ですが、昭和62(1987)年に、原料のタルクに有害物質アスベストが混入していたという事件が起こりました。
この事件を受け、厚生労働省ではベビーパウダーに「不純物混入試験を経たタルクの使用」を義務付けています。
しかし、その後、ベビーパウダーが鼻や口から入ってぜんそくや呼吸困難を招く可能性があることや、パウダーが固まって毛穴をふさいで湿疹の原因になることなどが問題視されるようになりました。
そのため、現在、小児科医や保健師は、赤ちゃんへのベビーパウダーの使用を推奨していません。むしろ大人がベビーパウダーを制汗の用途などで使うことが多くなっています。
赤ちゃんに使う場合には、手に少量とって、背中やおなかなど、しわのないところに使い、おしりや性器周りには使わないように指導されています。しわやひだなどにパウダーがたまって固まりやすいからです。
さらにここで知っておくべきことは、ベビーパウダーは汗疹(あせも)を予防するものであって、汗疹を治すものではないということです。
汗疹が発生しているところに、ベビーパウダーを擦り込むのは、むしろ逆効果。
今はベビーパウダーのかわりに、肌の乾燥を防ぐためのベビーローションやベビークリームなどが使われるようになりました。
沐浴や入浴は、赤ちゃんの全身の状態をよく観察して、異常がないかどうかを確認するとともに、赤ちゃんの表情からその気持ちを読み取る大事なコミュニケーションの時間です。
パパとママが上手に沐浴・入浴できるように、じいじばあばもこれらの新常識を踏まえて、バックアップしてあげてください。
(参考)
『団塊世代の孫育てのススメ ―イマドキの子育て事情とパパママのサポートのコツ』宮本まき子:著 中央法規出版
妊娠・出産・子育ての疑問を解決するママ応援サイトmamari「知らずに使うと危険!?ベビーパウダーのメリットとデメリット」