むかしはね! いまはね! どうする? 子育てギャップ

応急処置 いま・むかし(鼻血・しゃっくり)

2016.06.16

 
子育てをしていると、鼻血やしゃっくりなど、さまざまなトラブルへの対応が求められます。
そうした日常のトラブル解決法も、昔と今では変わってきていることをご存じでしょうか。

 

鼻血

子どもは鼻を指でほじったりするため、鼻血をよく出します。
暑さや緊張でのぼせたとき、サッカーボールが顔に当たったとき、風邪や花粉症でも、鼻血が出ることがあります。
鼻血はほとんどの場合悪い病気ではないので、まずはあわてている子どもを落ち着かせましょう(保護者も落ち着いてね)。

鼻血は主に左右の鼻をわけるしきり(鼻中隔)の粘膜から出ます。鼻の穴から1センチのところは血管が網の目状になって浮き出ているので、ちょっとの刺激でも出血しやすい部分です。

昔は、鼻血が出たら、顔を上に向かせたり、首の後ろをトントンと叩くといった処置がとられていました。
ところが、顔を上に向かせる方法だと、鼻血がのどを通って、せきこんだり、飲み込んだりして、かえって具合が悪くなります
首の後ろをトントンと叩くのも、首を痛めたり、振動で出血量が増したりするので、むしろ逆効果。

最近の医師が推奨する鼻血を止める方法は、ケガの処置と同様、「圧迫止血」が基本となります。
鼻血の止め方
鼻の穴に脱脂綿や細く巻いたティッシュをゆるめに詰めて、椅子や床に座って、前かがみになった状態で、小鼻全体を親指と人差し指でつまみます。つまんでいる目安は15分ほど。
鼻血がのどを通ったら、飲み込ませずに、口から吐き出させて下さい。洗面器などを顔の下に置いておくと、周りを汚さなくてすみます。
保護者が子どもの鼻をつまむときには、呼吸を妨げないよう、加減して行いましょう。

また、鼻をかむなどの外的な刺激がないのに、たびたび鼻血が出たり、15分以上出血が止まらなかったりしたときは、何らかの病気の可能性があるので、必ず病院(耳鼻科/出血が止まらないときは救急)へ行きましょう。

 

しゃっくり

「ヒック、ヒック」と突然起こって、なかなか止まらないしゃっくり。
しゃっくりは呼吸をするときに肺を広げたり、縮めたりする横隔膜という筋肉がけいれんすることで起こります。「ヒック」という音は、横隔膜のけいれんとともに、声帯がキュッと閉まる拍子に出るものです。

しゃっくりには、一過性病原性のものがあります。
一過性の場合、いつの間にか止まることも多いしゃっくりですが、自力で止める方法として、さまざまな民間療法が伝えられています。
一例をあげると、

・腹式呼吸を数回行う
・呼吸を数秒止める
・唾を飲み込む
・冷水を飲む
・舌を引っ張る……etc.

昔から、他の人のしゃっくりを止める方法として、一般的に行われているのが、突然「ワッ」と驚かせることでしょう。
しかし、たとえしゃっくりが止まっても、驚かす行為自体を不快と感じる場合もあるので、小さい子どもや神経の細い人相手にはあまりお勧めできません。

ナースが教える仕事術」というサイトで、もっと確実にしゃっくりを止める方法として紹介されているのが、「耳押し法」です。
しゃっくりの止め方
両手の人指し指を、両耳に1本ずつ入れて、耳の奥をやや痛みを感じるぐらい30秒~1分ほど押すだけ。すると、30秒ほどでしゃっくりが止まるのだそう。
この方法はNHK「ためしてガッテン」でも紹介されており、しゃっくりの専門医が実践して、100人のうち70人がしゃっくりを止めることができたそうです。

ただし、病原性のしゃっくりの場合、病気が改善しないと、しゃっくりは止まりません。ぜんそくなどの呼吸器系の病気や心臓病などの循環器系の病気がある人は、耳押し法は行わないでください。

いかがでしょう。日常的に起こる鼻血やしゃっくり。いざという時、対処について言い争いになどならぬよう、「鼻血が出たら、どうする?」と普段から確認し合って家族のコンセンサス(共通理解)を得ておくと助かりますよ。

(参考)
『子育てハッピーアドバイス 初孫』明橋大二 (著)、吉崎達郎 (著)、1万年堂出版

【鼻の病気のQ&A】鼻出血:社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

しゃっくり|Wikipedia

ナースが教える仕事術|しゃっくり

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