むかしはね! いまはね! どうする? 子育てギャップ

マタニティ・スタイル

2015.09.16

 

腹帯

ママの「おめでた」がわかって、お腹が目立つようになったら、お腹や腰回りを保護する衣服を身に着ける必要があります。

日本人が着物を着ていた時代、腹帯(はらおび)は妊娠した女性が身に着ける必須アイテムでした。

日本には、妊娠5カ月目の戌(いぬ)の日に安産を祈願して腹帯を巻く「帯祝い」という、江戸時代から続く風習があります。

帯祝いでは、「岩田帯」と呼ばれる紅白の絹帯地が妊婦の実家から贈られ、近くの神社に参拝します。

なぜ戌の日かというと、犬(戌)は、多産でありながらお産が軽いことから、昔から安産の象徴とされてきたのです。

「腹帯をしないと赤ちゃんが下がってきて早産してしまう」「腹帯をしないと赤ちゃんが育ちすぎて難産になる」といって、周りのお年寄りから強力に腹帯を勧められたママも多いのでは?

腹帯をしないと早産や難産になるということはありませんが、腹帯には腰痛予防や冷え予防という妊婦さんにとって無視できない効果があります。

今は帯タイプ、腹巻タイプ、パンツタイプ、骨盤ベルトタイプなど、バリエーションが多くなっていますので、ママの身体に合うものをいろいろと試してみるといいでしょう。
 

マタニティのトレンド

昭和の時代は、妊娠したら腹帯を使う一方、お腹を締めつけないワンピース・スタイルのマタニティ・ウエアを身に着ける人がほとんどでした。

さらに、お腹が大きくなると足元が不安定になるので、ヒールが低い靴を履くなど、一目で妊婦さんと分かるスタイルにするのが当時の常識だったのです。

近年は妊娠してもマタニティ・ウエアを身に着けないママが増えています。妊娠前と変わらないファッションを通すため、今やジーンズ姿の妊婦も珍しくなくなりました。お腹を締めつけないジーンズやレギンスなど、パンツスタイルのマタニティ・ウエアも増えています。

マタニティ・スタイルの国際化も進んでおり、海外の王室やトップモデル、女優など、セレブのマタニティ・ファッションが話題になって、それがトレンドになることもよくあります。

じいじばあばの時代は故ダイアナ妃、パパママの時代はキャサリン妃と、特にイギリス王室のおめでたは、世界中の人が同じマタニティ・ウエアを求めようとするなど、影響力が非常に大きいものです。
 

マタニティ・マークの普及

百人百様のマタニティ・スタイルが見られる中で、日本では「おなかに赤ちゃんがいます」という「マタニティ・マーク」の使用が勧められています。

maternitymark

平成18(2006)年より始まったマタニティ・マークは、交通機関等を利用する際に身につけ、周囲に妊婦であることを示しやすくするもの。

厚生労働省の「健やか親子21」という政策の一環で、マタニティ・マークのキーホルダーをバッグなどにつけている女性を見かけたら、周りの人は席を譲る、たばこの煙が届かないように配慮するという意識を持とうと作られました。

特に妊娠初期はお腹が目立たないので、周りの人は妊婦さんかどうかの判断をしづらいもの。子育てしやすい社会の実現のためにも、マタニティ・マークのさらなる普及が望まれます。

マタニティ・マークは自治体や公共交通機関各社などが無料で配布しています。自治体や公共交通機関各社によって取り組み状況は異なりますので、事前にご確認ください。

(参考)

犬印本舗(安産豆知識/妊婦帯の豆知識)

厚生労働省 マタニティマークについて

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