夜泣き
2015.10.26
夜泣きは「疳の虫」のせい!?
生まれたばかりの赤ちゃんは昼夜の区別がなく、授乳とおむつ交換を数時間おきに行わなければなりません。夜間でもおかまいなしに泣くので、ほとんど24時間体制でつきっきりになります。
子育てに慣れていないパパママが、最初の1ヶ月でギブアップするケースは珍しくありません。
じいじばあばをはじめ周りの大人は、この時期にできるだけフォローしてあげる必要があります。
「この状態が永遠に続くわけではないんだよ。もうすぐ赤ちゃんも夜はぐっすり眠るようになるから」と説明してあげましょう。
夜寝ていた赤ちゃんが泣き出すのは、お腹がすいた、おむつが濡れた、寝苦しい、具合が悪いなど、いくつかの理由があります。
ところが、特にそうした理由が見当たらないのに、夜中に突然泣き出し、ずっと泣き止まないことがあります。
これがいわゆる「夜泣き」で、生後6か月ぐらいから、比較的神経質な赤ちゃんに多く見られます。
新生児期の赤ちゃんが夜間に泣く場合とは別のものとして扱います。
欧米では、赤ちゃんの夜泣きやかんしゃく、ひきつけを病気としてとらえていませんが、日本では、昔から赤ちゃんが夜泣きをするのは、身体の中にいる「悪い虫=疳の虫」によるものと考えていました。
そのため、「虫封じ」という民間療法を行う寺社が各地に存在し、「疳の虫」に効果があるという小児専用の生薬が利用されてきたのです。
「疳の虫」の科学的解明はいまだなされていませんが、現在こうした症状は、主に小児の自律神経失調症によって生じると考えられています。
夜泣き対策
夜間、赤ちゃんが急に泣き出したら、抱っこや添い寝をして、背中をやさしくさすったり、手のひらでトントンと軽くたたいたりして、赤ちゃんを安心させましょう。
それから、お腹がすいていないか、おむつが汚れていないか、暑くて(寒くて)寝苦しいのかなど、泣き出した理由を探ります。
お腹がすいているときは、授乳をすれば泣き止みますが、泣くたびに授乳を繰り返していると、夜泣きが習慣になってしまいます。
夜になってお腹がすかないように、寝る前には十分授乳するようにしましょう。
さらに、夜泣き対策として、いくつかの有効な方法があります。
1.赤ちゃんに一日の生活リズムをもたせます。毎朝同じ時間にカーテンを開けて、部屋を明るくします。夜はパジャマ(夜用のベビー服)に着替えさせて、部屋を暗くして静かにします。
2.日中はずっと部屋の中にいるばかりではなく、適度に散歩にも連れて行きましょう。ただし、人ごみなど赤ちゃんが興奮する場所は避けます。
3.日中は明るい環境でたくさん遊ばせましょう。大人があやし過ぎたり、かまい過ぎたりすると、赤ちゃんがストレスを感じることもあります。笑顔だけで接する時間も大切にしましょう。
4.昼寝の時間を決めて、寝かせる時間、起こす時間を毎日一定に保って、規則正しく過ごさせます。
5.寝る前は赤ちゃんが興奮するような遊びを控えましょう。夜遅く帰宅したパパが身体を使った遊びをして、赤ちゃんがキャアキャア叫んで大興奮! というのは最も避けたいパターンです。
6.夕方から夜にかけては、赤ちゃんがいる部屋ではテレビやゲームなどを見ないようにしましょう。
7.赤ちゃんはママの心の動きに敏感に反応します。夜泣きにママがイライラしていると、ますます泣くようになります。ときにはパパもあやし役を引き受け、ママが気持ちをリセットできるように協力しましょう。
(参考)
『子育ての常識・非常識 どっちが正しいの!? 育児の世代対抗戦』
保健同人社電話相談室 (著)、高橋悦二郎 (監修)、保健同人社