むかしはね! いまはね! どうする? 子育てギャップ

児童手当、貯めるといくら?

2016.06.17

昭和47年から続く、子育て世帯サポートの制度

児童手当の制度は、昭和47(1972)年に始まりました。児童を養育している者に手当を支給し、家庭生活の安定と児童の健全な育成・資質の向上に資する、という目的で創設されたものです。
開始当初の支給対象は5歳未満の第3子以降、支給額は月額3,000円でした。段階的に拡大して、昭和50(1975)年10月からは、義務教育終了前の第3子以降、支給額は月額5,000円に。
支給対象が第1子まで拡大されたのは平成4(1992)年で、その後も制度改正により、支給対象や支給額が変更されています。

開始が昭和47年で、支給対象が長く第3子以降だったことなどから、今のじいじ・ばあば世代の子育て時期では恩恵を受けた人が少なかったかもしれませんね。

この手当制度、平成22(2010)年には「子ども手当」となりました。現在は「児童手当」という名で、平成28(2016)年度現在の支給額は以下のようになっています。

■児童手当の支給額

児童手当の支給額

現在の児童手当には、所得制限があります。例えば、専業主婦世帯で児童が2人の場合、扶養親族等の数が3人となり、収入額の目安は960万円。扶養親族等の数によって以下のように異なります。

■所得制限限度額

所得制限限度額

※児童を養育している方の所得が上記の額以上の場合、特例給付(児童1人当たり月額一律5,000円)の支給となります。

 

ずっと貯めると、いくらになる?

「家庭等の生活の安定に寄与する」という制度の目的から離れてしまうかも知れませんが、もし、今年生まれた子どもの児童手当を中学校卒業まで使わずに積み立てた場合、支給総額はいくらになるのか計算してみました。
1人目の子ども、所得が制限限度額よりも少ない、現在の支給内容が変わらない、と仮定して試算してみると、198万円になります。結構な金額になりますね。

ずっと貯めると

文部科学省の「子供の学習費調査(平成26年度)」によると、幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間、すべて公立に通った場合で学習費総額は約523万円、すべて私立に通ったとするとその3.38倍の約1,770万円になるのだそう。
「学校外活動費」(参考書代、通信教育、学習塾、机やパソコン、スポーツ用具の購入費など)は中学校、高等学校、大学等への進学が近づくにつれて増加傾向にあり、高等学校3年間の平均をみると、公立高校では平均50.1万円、私立高校では平均76.5万円になるそうです。

児童手当をどのように活用するかは保護者次第です。毎月、何らかの子育て出費に充てるか、ある程度蓄えて中学校卒業後に備えるか…。悩むところかもしれません。

 

15日以内(申請)、毎年6月(現況届)、この2つを忘れずに!

赤ちゃんが生まれたり、引っ越して他の市区町村に転入したときは、現住所の市区町村に「認定請求書」を提出しなければいけません。また、第2子以降が生まれたときも、手当の額が増額になりますが、その申請が必要です。誕生などの翌日から15日以内、この申請が遅れると遅れた月の手当が原則として受けられなくなってしまいます。

また、認定を受けた後、引き続き児童手当を受け取るためには、毎年6月に「現況届」を提出しなければいけません。

他にも、月末近くに出産した人に対する「15日特例」、里帰り出産で里帰り先に出生届けを出した場合、住んでいる市区町村での児童手当の認定までタイムラグが生じる可能性があることなど、出産を迎える方は事前にお住まいの市区町村のホームページや窓口で詳細を確認しておくことをおすすめします。

せっかくの制度、万が一にも無駄にすることのないよう、有効に利用したいものです。

 

(参考)
リーフレット「児童手当制度のご案内(平成28年度版)」(内閣府)

平成26年度子供の学習費調査(文部科学省)

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