むかしはね! いまはね! どうする? 子育てギャップ

最近の子は背が高いね

2016.07.28

 

発育状態の世代間比較

じいじ・ばあばが今どきの子どもたちを見て、思わずつぶやく決まり文句といえば、「最近の子はみんな背が高いね」「足が長いね」「顔が小さいね」……。
これらは「なんとなくそう感じる」レベルの印象だと思いますが、文部科学省が毎年行っている「学校保健統計調査」の結果には、それがはっきりとあらわれています。

学校保健統計調査は、学校健康診断の結果を取りまとめたものです。毎年調査結果が発表されるのですが、平成27 (2015)年3月27 日に発表された「平成26年度学校保健統計調査結果」には、じいじ・ばあば、パパ・ママ、子どもの三世代を比較した、興味深いデータが盛り込まれていました。

8歳(小学3年生)、11歳(小学6年生)、14歳(中学3年生)、17歳(高校3年生)という4つの年齢について、祖父母世代(昭和34年度)、父母世代(昭和59年度)、子世代(平成26年度)の身長、体重、座高を比べています。

男子の平均身長(8歳から17歳)を比べてみると、祖父母世代と父母世代では父母世代の方が5.7~9.2cm、平均身長が伸びています。差が最も目立つ中学3年生では、10cm近い差があります。
それに比べると、父母世代と子世代でも平均身長は伸びていますが、0.5~1.9cmで、祖父母世代と父母世代ほどの開きはありません

平均身長男子

男子の平均体重では、祖父母世代と父母世代では、父母世代が3.2~7.8kg増加しています。それに対し、父母世代と子世代では、1.1~2kgの増加

平均体重男子

一方、女子の平均身長は、祖父母世代と父母世代では、4.0~7.8cmの開きがあります。最も差が開いたのは小学6年生で、約8cm違います。それが父母世代と子世代では0.2~1.4cmの差に留まっています。

平均身長女子

女子の平均体重は、祖父母世代と父母世代では2.3~5.8kgの増加が見られますが、父母世代と子世代では0.2~2.2kgの増加でした。

平均体重女子

この調査では、年間発育量の世代間比較も行っていますが、男子、女子共に身長、体重のいずれも、現代に近い世代ほど早期に増加しているという結果でした。
祖父母世代(昭和16年度生まれ)では、発育のピークが14~15歳に訪れていますが、父母世代(昭和41年度生まれ)、子世代(平成8年度生まれ)は、12~13歳が最も多くなっています。
つまり、昔は中学2年~3年でぐっと身体が大きくなっていたのが、今は小学6年~中学1年。2年ほど成長期が早まっているということです。
ちょうど中学校の制服を新調する時期に当たるので、「どのサイズを買えばいいのか」という判断が難しいと、多くのパパ・ママが悩んでいるのではないでしょうか。

 

洋服サイズの変化

祖父母世代と父母世代の間では、身長、体重ともに大きな開きがありますが、父母世代と子世代ではそれほど大きな開きは見られません。
文部科学省の調査でも「身長は、平成6年から13 年度あたりをピークに、その後横ばい傾向」「体重は、平成10年から18年度あたりをピークに、その後減少傾向」と報告しています。

言い換えると、日本の17歳男子の平均身長は約170cm、17歳女子は約158 cmという状態が、もう20年以上続いているということです。
そして、10年ほど前から、身長は横ばいなのに体重は減少傾向にあるという、子どもたちのスリム化が進んでいます。

こうした日本人の体格の変化に応じて、洋服のサイズも変化しています。
このため、じいじ・ばあばとパパ・ママでは、同じ「M」サイズでも、微妙にサイズ感が違うことをご存じでしょうか。

日本の衣料品のサイズはJIS(日本工業規格)により、昭和45(1970)年、昭和59(1984)年、平成9(1997)年の過去3回にわたり改訂されています。

平成9(1997)年に行われた、JISの衣料サイズの改正内容の一部をみてみましょう。

○成人男性用衣料サイズJISの改正内容

(1)体型区分

・7体型から10体型に増加。
・若年層の体型変化に対応して「J体型」と「JY体型」を追加。
・中高年齢層に配慮した「BB体型」を追加。

(2)範囲表示

・「M」の中心値を、身長:165→170cm、チェスト:88→92cm、ウエスト:76→80cmに変更。
・旧「S」、「M」、「L」を「SA」、「MA」、「LA」とし、これらを中心にチェスト及びウエストの大または小のサイズを追加。

 

○成人女性用衣料サイズJISの改正内容

(1)体型区分

・旧JISのB体型をAB体型に改め、A体型よりヒップが8cm大きい体型を追加し、B体型とした。
・標準体型であるA体型の身長の中心を156cmから158cmに変更。

(2)範囲表示

・身長の中心を156cm→158cmに変更。138~146cmの区分を追加。
・「M」の中心値を、ヒップ:89cm→91cm、ウエスト:66cm→67cmに変更。
・S~3Lの範囲を下表のとおり変更。また、「EL」を「3L」に改めた。

 

範囲表示

jis女性

 

こうしてみると、祖父母世代が若かった頃に比べて、今の既製服はサイズのバリエーションが格段に多くなっています。
じいじ・ばあばが「普通サイズ」というとき、それが今の「M」サイズとは限りません。
言わずもがなですが、洋服を購入するときには必ず試着をしましょうね。

(参考)
学校保健統計調査-平成26年度(確定値)の結果の概要|文部科学省

成人男性用衣料サイズJISの改正について

成人女子用衣料サイズJISの改正について

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