続々!イクジイ・イクバアのための新事業
2016.06.18全国で開催、孫育て講座
子育てに積極的な男性「イクメン」、孫育てに熱心なじいじ・ばあばは「イクジイ」「イクバア」、だいぶ広まってきたように思えます。
「イクメン」は平成22(2010)年頃から、「イクジイ」「イクバア」は平成23(2011)年頃から登場した新語で、「イクジイ」は2012年ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされています。
ちょうどこの頃から、全国各地で、孫育てに取り組むシニア世代を対象に「孫育て講座」が開催されています。
○大阪府堺市 「孫育て講座」
堺市では、平成24(2012)年度から「孫育て講座」を実施しています。開始当初はシニア世代向けの講座だったのですが、平成26(2014)年度からは子育て世代も対象にし、世代間交流を図っています。
平成27年度の孫育て講座では、第1回目は「がんばり過ぎない子育て」をテーマに、助産師を講師に迎え、時代と共に変化する子育て事情を解説しました。第2回目は「子どもの口から見える心と体」、第3回目は「今日は一緒にあそぼうデー」をテーマに、子どもを連れた子育て世代と祖父母世代が参加し、三世代が交流する絶好の機会となりました。
○京都府 「子育ての達人」コース
京都府では、平成27(2015)年度から、子育て経験者やシニア世代などが子育て支援の現場で活躍できるように、「子育て支援員」研修制度に、京都府オリジナルで「子育ての達人」コースを追加しています。
「子育ての達人」コースは、紙芝居やコマ回しなど本人の経験や能力を子育て支援に活かし、さまざまな現場で活躍することを想定しています。実習では、伝承遊びなどシニア世代におなじみの遊びのほか、バルーンアートや手品なども取り入れています。
講座修了者には京都府内で通用する知事の修了証が交付されます。
祖父母のための新しい事業・制度
○兵庫県「地域祖父母モデル事業」
兵庫県は、平成28(2016)年4月から、「地域祖父母モデル事業」を始めます。子育て支援に携わりたいシニア世帯と支援を受けたい家庭を個別にマッチングし、シニア世帯が実の祖父母のように、子どもの日常的な見守りや相談、緊急時の一時預かり等を行います。
事業内容としては、小学生ぐらいまでの子どもがいる世帯と、子育て支援を希望するシニア世帯が、県から委託を受けた各地域の子育て支援団体に会員登録。この団体が催す芋掘りやたこ揚げなどの交流イベントに参加して、相手を決定します。
「地域祖父母」はボランティアが前提ですが、子どもの世帯とシニア世帯の合意で、謝礼などを決めてもよいそうです。
平成25(2016)年4月から、都市部を中心とした県内10市町で、40地区をモデル地区として選定。1地区で子育て・シニア世帯を各25世帯、県内で計2000世帯を募集。シニア世帯には現在の子育て方法を学ぶ研修も実施する予定です。
○福井県 「祖父母の育児休暇等取得促進奨励事業」
福井県は共働き率67.43%で、山形県に次いで全国2位(2010年総務省統計局調査より)。定年を65歳に延長する企業や、定年後もパートで働く高齢者が増加していることから、平成27(2015)年度から、「祖父母の育児休暇等取得促進奨励事業」を実施しています。
就学前の孫を預かる祖父母が、「連続する10日以上の育児休暇等を取得」または「最低5日以上の連続する育児休暇等を2回、計10日間以上取得」し、職場復帰した場合、企業に10万円が支給されます。
○福井県福井市「孫育て応援事業一時預かり施設利用券発行事業」
福井県福井市では、日常的に0歳児~1歳児の孫やひ孫を保育する祖父母や曽祖父母を対象に、「一時預かり施設」の利用券を発行しています。
1回の申請で、孫1人あたり48時間分(利用料金1時間分×48枚)の利用券を交付。今年度から孫の年齢を0歳児のみから、0歳児~1歳児に対象を拡大しています。
○岡山県 「孫育て休暇奨励金」
岡山県では、平成27(2015)年度から、従業員に「孫育て休暇」を取得させた企業に奨励金を支給する「孫育て休暇奨励金」を開始。
就業規則などで「孫育て休暇」を定める県内の事業所(従業員300人以下)で、従業員が1日以上の休暇をとった場合、企業に5万円が支給されます。
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子育て世代にとっては、自分たちの両親以外に、地域のイクジイ・イクバアの支えも心強いもの。また、祖父母世代も巻き込んで「子育てが楽しい」と思える社会が実現すればすばらしいことです。
母親だけに子育ての責任を押し付けることなく、みんなが協力し合うことで、子育て(孫育て・ひ孫育て)の喜びを分かち合えるようになるといいですね。
(参考)
祖父母が一肌脱ぐ「孫育て」 シニア向け講座など自治体が支援拡大 世代間交流が進む(2-3ページ) – 産経ニュース祖父母の育休広がる – 福井県と岡山県で実施の孫育て奨励金制度とは マイナビニュース
「子育て支援員」・「子育ての達人」養成講座を開催します[子育て支援情報未来っ子ひろば]/京都府