厚着・薄着
2015.12.03
冬は厚着、夏は薄着
じいじ・ばあば世代が子育て中の頃は、今ほど冷暖房設備が整っていなかった分、室内でも冬は厚着、夏は薄着で調節していました。
今はエアコンで快適な温度が保たれているので、室内の子どもは、軽い室内着で一年中過ごすことができます。
でも、じいじ・ばあば世代は、寒い季節になると、風邪をひかないようにと子どもに厚着をさせたがるよう。乳幼児はすぐに高熱を出しますし、それでいろいろ苦労したことがトラウマになっているのかもしれません。
一般的に子どもは大人よりも平熱が高い傾向にあります。さらに、子ども、特に乳幼児は、周りの温度が高くなるとすぐに体温が上がります。
暑くなると人間は汗をかき、その蒸発熱で体温を下げるのですが、子どもはまだ十分に体温調節機能が発達していないからです。
ですから、暖かい部屋で乳幼児に必要以上に厚着をさせると、熱中症になる危険性さえはらんでいるのです。
エアコンが効いている部屋で「ちょっと暑いようだな」と思ったら、子どもの背中を肌着の上から触ってみてください。少し汗ばんでいるようであれば、1枚脱がせましょう。
とはいえ、常に先手を打って、子どもに気温の変化を感じさせないままでいると、汗腺や血管など身体の体温調節機能が未発達となります。そのさじ加減が難しいですが、過保護にならない程度に調節しましょう。
赤ちゃんに必要な衣服
赤ちゃんに着せる衣服の枚数ですが、生後2か月ぐらいまでは大人より1枚多く着せて、2~6か月ぐらいは大人と同じ枚数、6か月すぎぐらいから大人より1枚少なくというのが、大体の目安となります。
昼夜の区別ができてくる生後3、4か月になったら、夜寝るときはパジャマ、昼起きているときは室内着に着替えさせるというように、メリハリをつけるようにします。
靴下は室内では必要ありません。赤ちゃんにとって靴下は身体を動かすのに邪魔だし、体温調節の妨げにもなるので、室内では履かせないようにしましょう。フローリングの床などでは、靴下が滑ることもありますから。
寒い日は、ぴったりした厚手の服を着こませるより、少しゆとりのある服を重ね着させた方が、保温効果が増し、動きも妨げません。日中動き回って体温が上がったようなら、上着を1枚脱がせます。
風邪気味で熱があるときなどは、昔は厚着をさせて、分厚い布団を掛けて休ませたものですが、体内に熱がこもるので、かえって身体を消耗させ、よくありません。
やや薄めの着替えやすいパジャマや下着を着せて、軽めの保温性のある布団を掛けるのが最適です。
熱の上がり始めで寒気があり、手足が冷たいような場合は、毛布など薄い掛け物で調節します。
暑い日は、汗をよく吸い取り、通気性がよい衣服にします。直射日光が当たる場所では、帽子や袖がある服で、赤ちゃんの柔らかい皮膚や頭髪を、強い紫外線から守ることを忘れずに。
(参考)
『孫育てじょうず―幸せ祖父母になるためのアドバイス』主婦の友社